至福の時、まどろみの時間
この一ヶ月間、週末の都度西に東に慌ただしく動き回って来た。
週末の今日、何も予定が無く久しぶりにポッカリ時間が空いた。
気が赴くまま車を走らせていると、やはりここに来ていた。
午後1時半、フロントからラウンジの窓際に通されソファー深く身を委ねる。
水面を渡るそよ風と遊ぶ浜名湖畔の細波を見下ろしながら読書に親しむ。
静寂の中、ビルエバンスが奏でる柔らかな曲が耳を撫で心地良い眠気を誘う。
眠りから覚め、iPadに向かうとおもむろに資料作りを始める。
手が止まり窓の外に眼をやると緑、青、白・・・、優しい色彩が微笑む。
湖面に戯れる魚と小鳥を眺めながら、また意識が遠のいて行く。
気が付くと午後4時半。まどろみの時間が流れていった。
“春の海 ひねもすのたり のたりかな”
今日の浜名湖は、与謝蕪村が謳う俳句の世界。
そして、モネが描く印象派絵画のような世界である。
この空間、いつまでもいつまでも残っていてほしい。