岸田劉生展

Sceneken

2018年08月02日 22:56



“岸田劉生展”、現在豊橋市美術博物館で開催中の催事です。

岸田劉生と言って思い浮かぶのは肖像画“麗子”ではないでしょうか。

劉生は愛娘をモデルに“麗子像”を生涯に50点くらい描いています。
『麗子像』があまりにも有名で、逆に言えば岸田劉生の作品で『麗子像』以外はよく知らない人が多いのではなかろうか。

本展では岸田劉生の画業を「初期」「肖像画」「麗子像」「静物画」「風景画」「日本画・版画」の主題ごとに切り取り、それぞれのテーマの深化と展開を追っています。
38年という短くも激しい生涯の中で追い求めた"実在の神秘"を・・・、代表作を含む90点の作品から岸田劉生の真実を探ってみたいです。



作品はテーマ毎に時系列で展示されているので劉生の作画の変遷がよく分かります。
例えば肖像画に執着していた1913年頃1年間に5点自画像を描いているが、その全ての画法(筆のタッチ)が異なるのです。
 

このように展示作品からもこの時期の岸田劉生の迷いと苦悩がよく見て取れます。

日本の近代美術史に大きな足跡を残した岸田劉生。
その人物像と作風の変化、同時代の画家達へ及ぼした強い影響力がこの美術展から見て取れます。
岸田劉生をより深く知る上で大変参考になる展覧会でした。




岸田劉生に興味ある方は豊橋市美術博物館で開催中のこの美術展をお勧めします。


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