月曜の夜は私たちにとっての週末!、 仕事明けの脱力感とともに身も心もリラックスする時です。
閉店後、片付けがひと段落すると外食に出掛けてのんびり週末を愛でるのがルーティーンになっています。
この時期、旬な食材のアレが気になってよく訪ねるあの店へ、期待に胸を膨らませて行ってみました。
果たして・・・、
ラッキー❣️ ありましたーーっ。
私は毎年この時期になるとどうしてもあのモッチリ感を味わいたくなるのです。
私たち遠州人はこれを普通に食することが出来ますが、全国的には容易に口にすることが出来ない大変貴重な食材であることをご存知でしょうか。
日本国内でコレを食することが出来る地域は極々限られています。
黒潮流れる太平洋側で鰹の漁場が陸から近い、高知県・和歌山県の一部と静岡県西部の一部だけです。
『もち鰹』を簡単に解説してみます。
【もち鰹】
水揚後4~5時間後におこる死後硬直の前に食する、お餅のようにモチモチした鰹のことを言います。
4~6月の天気の良い日に、遠州灘の沖合で鰹漁が行われます。
この頃の鰹は港から遠くないところを回遊しているので漁獲後、死後硬直する前に港まで運ぶことができるのです。
特に近年漁船の速度が速くなったのでより容易に入手できるようになりました。
但しすべての鰹が「もち鰹」なわけではなく、同じ群れの中に何割か含まれる、希少で独特な弾力感がある鰹です。
全国に流通している鰹とは歯ごたえや味わいなどがな別物と思っていいでしょう。
このもち鰹を魚好きな浜松人は一年間心待ちにしていますが、天候や潮流など漁獲条件が揃わないと獲れない為【幻のもち鰹】と呼ばれています。
地元の人もこの時期を心待ちにしているので入荷情報が入れば即完売してしまいなかなか口にすることができません。
ですから当然公に流通することはなく、地元でのみ消費されることになります。
幻といわれる所以はここにあるわけです。
序に“初鰹・戻り鰹”に触れておきます。
【初鰹・戻り鰹】
鰹は回遊魚の一種で、春になると九州南部~岩手県の三陸海岸沖まで餌を求めながら北上していきます。
その時に各地で取れる鰹のことを「初鰹」と呼んでいます。
特に3月頃高知で水揚げされるものを、一般的には「初鰹」と呼ぶことが多いようです。
ただ初鰹が美味しいのかというと、ちょっと疑問です。
“ 目に青葉 山ホトトギス 初鰹 ”と詠われたように、 江戸の昔から新鮮な初鰹は大変な人気の魚ですが・・・、
鰹は北上するに従い成長し、脂ものってきますので三陸沖で取れる初鰹や、晩夏から初秋に南下してくる戻り鰹のほうが美味しいです。
因みに“戻り鰹”の“もち鰹”はありません。
秋鰹(戻り鰹)は遠州灘の沖合遥か遠くを南下するため水揚げ後港に戻るまでに時間が掛かり過ぎるためです。
“もち鰹”を食することは浜松に住む者の利点で特権です。
是非もっちりした旬のもち鰹を試してみては如何でしょう。