貴重な体験⁉️

Sceneken

2025年02月06日 16:44


【三方原台地の向こうに陽が落ちると、病院の長い夜が始まる】


病院の中(入院中)でなければ体験できないことが多々あります。
そんな貴重な体験を記した“病室だより”をアップします。

『病室だより −6−】(1月26日)
ここ3、4日、昼夜問わず病室を離れて病棟内を散策することが多くなった。
そこで今回は深夜の病棟の様子を記してみます❗️

【深夜の病棟】
兎も角僕は何かやっているか動いていないといられない性格だ。
消灯時間(22時)が過ぎても眠れそうにないと病室を離れて探索に出掛ける。
深夜の病棟は、普段体験できない奇々怪々な出来事と独特な雰囲気がある。
日本赤十字浜松病院の病棟は機能的な構造に設計されている。
中央に“スタッフステーション”(ナースステーションとも言う)がある。

そこから四方に通路が機能的に伸びたシンメトリックな型になっている。
深夜でもスタッフステーションだけは灯が煌々と輝いている。

だが、病棟内の通路は薄暗く静寂に包まれて人影が全く無い。
正直に言うと、不気味である❗️

『遠く闇の中に人の気配』

部屋を出て通路に立つと、病棟の反対側の闇の中に誰かが立っている!
ステーションの反対側の暗闇の中、距離にして6〜70mはあるだろうか。
その人影は動く気配が無い、でも確かに人が立っているように見える。
さすがの僕も、そちらに向かって歩みを進めることは出来なかった。
後になってこのことを看護師さんに尋ねてみた。
「深夜に歩行器を使い、部屋を出て徘徊する患者さんがいます」
とのことだった。

『真っ暗な病室の中から誘う声』

暗い通路を喫茶室に向かって進んで行くと、
何処かの病室から女性の声が聞こえてくる。
最初はうめき声のようにも聞こえたが、よ〜く聞くと・・・、
「ねえ連れてって」と言っているようだ。
さすがにそれ以上先に足が進まず自分の病室に戻ることにした。
これも後で看護師さんに聞いてみると・・・、
「その部屋だったら、自力で動けない認知症の患者さんだと思う」
「夜部屋の外に人の気配を感じると、必ず声を掛けてくるの」
「いつも口癖で“トイレに連れてって”を繰り返すのよ」
だそうである。
深夜の病棟内を散策するのはなかなかスリリングで勇気が要る。

『深夜の病棟に響く不思議な音⁉︎』

深夜の病棟は静寂に包まれていると記したが、実はそうではない。
音の発生源が何処か定かではないが病棟の何処からか・・・、
「ウォーウォー」「ガーッガーッ」「○X◇◉♬□」「ケッケッケッ」
人間の肉声か、動物の鳴声か、機械の物理音か、はたまた・・・。
これらはさほど大きな音ではないが病棟内に静かに響き渡る。
少々不気味で、何とも言えず判断し難い物音が聞こえてくる。
・・・これら全ての物音が、実は人間の肉声のようである。
認知症患者が無意味に発っする罵声・奇声、
疾患の痛みに耐えかねて患者が発するうめき声、
“睡眠時無呼吸症”に悩む患者の大音量の“いびき”も。
病棟の人は病院スタッフを除くと皆が悩みや苦しみを抱えている。
そんなことを思い知らされる深夜の病棟である。
苦痛も伴わず動きの不自由さも無い僕の場合は、
他の入院患者と比べたら僕は恵まれている方である。

深夜の整形外科病棟内を覗いてみると、
そこには様々な人生模様が展開している。
ハンディを抱えた人々の生き様が赤裸々に見える。
存命の在り方、生き方(逝き方)への問い掛けが見える。
様々な形容・形態の人生ドラマ、その縮図がここにはある。



『病室だより −8−』(1月28日)
私を担当してくれる理学療法士(リハビリドクター)は2人居る。
その内の午後担当Nさんが昨日はお休みで(ラッキーにも)午後フリー❣️
で、昼食後は行きつけの喫茶店で音楽を聴きながらマッタリ過ごした。



病院内に居ると話題に事欠くことは無いが・・・、
今日の“病室だより”は何をテーマに取上げようか?

スマホ2個とiPadを病室に持ち込んでいる。
iPadは執筆作業用、そしてスマホの1個は音楽(YouTube)を聴くため。
で、もう1個は・・・、
SNS(LINE、messenger)で友人知人お客様と連絡を取り合うため。
確か私は入院中の筈なんだけど、毎日誰かしらとSNSで会話している。

で、その中からこんな話題はどうだろうか❗️

【奇跡の“どら焼”】
友人のRさんが今月、ある目的で山形に出掛けることになった。
そこで「山形のグルメ情報が欲しい」と私にSNSでリクエストして来た。
Sceneには年齢職業を問わず色々な人が集い、様々な情報が集積される。
Rさんはそれを期待して問い合わせて来たのである。
で、山形出身のMさんにSNSで「山形のグルメ情報が欲しい」と問掛けた。
すると早速Mさんから回答が返って来て、情報の中に・・・、
「こちらのどら焼もおすすめですよ」
と教えてくれたのが、どら焼専門店“榮玉堂”。

『榮玉堂”』

僕は知らなかったのだが、その筋では超人気店のようである。
東北No. 1で、全国のどら焼ランキングでも常に上位に入るようだ。
創業江戸末期の“榮玉堂”は160年の歴史を持つ東北屈指の老舗和菓子舗。
現在の代表取締役小林一三氏で7代目になる。
季節限定品を含めて20種類の“どら焼”がある。
毎日開店前から行列が出来て、人気商品は午前中で売切れる。
賞味期限が生産日から2日なので遠方や県外の人の口には入り難い。

Rさんから「どら焼ゲット出来たよ❣️」と、SNSに連絡が入った。
この貴重な“榮玉堂”のどら焼が、今入院中の私の目の前にあるのだ⁉️
23日に山形に行き即店を訪ね、クール宅急便で送ってくれたのである。
23日に焼かれた入手困難などら焼が、2日後の今私の口の中に入る。
これぞ“奇跡のどら焼”、と言うことである‼️



どら焼を食しての感想は・・・、
生地が“ふわふわ”で普段口にするどら焼には無い食感である❣️
甘味は抑え気味でクドさが無いので3つ4つはペロリといけそう。
ネットの書込みに・・・、
「一度食べるとリピートするようになってしまう」が多くある。
毎日市内外から買いにくる人が多くいるのもよく分かる。

MさんRさん、大変美味しく戴きました、そして感動してます。
入院中で行動が制約されてままならない僕なのに・・・、
入手困難と言われる“どら焼”をいながらにして食することが出来てしまう。
ネット(SNS)という道具の成せる技、その妙です。
Mさんの素敵な情報提供と、Rさんの迅速なアクションに乾杯❤️
貴重な体験をさせていただき感謝します、ありがとうございました。