伊藤さんが大学で専攻されたのは植物生態学。
中学・高校の教師を勤める傍ら約30年間、珈琲の生産から消費までを科学的視野から研究された方です。
“コーヒー研究家”の肩書きを持ち、ご自分の研究成果を執筆活動で沢山の珈琲専門書にして残されました。
珈琲を勉強されている方はご存知と思います、『珈琲探訪』『コーヒー博物誌』『珈琲を科学する』『コーヒー事典』などが著書にあります。
僕も伊藤さんの著書は沢山読ませて頂き、珈琲に関する歴史・品種・コーヒー雑学などの知識を持つことが出来ました。
伊藤博さん(1930-2004/1)は豊橋市在住の方でした。
勉強していた頃豊橋へは頻繁に通っていましたが、残念ながらご本人にお逢いすることは叶いませんでした。
Sceneを開店して数年経ったある日、存じ上げぬ男性が訪ねてみえました。
「伊藤です。」
「伊藤さん?」
「伊藤博の息子です。」
「・・・❗️」
「父が昨年亡くなりました。」
伊藤博さんの息子さんがSceneを訪ねて下さったのです。
「❗️❗️・・・」
ビックリして暫く言葉が出ませんでした。
その後お父様のことをいろいろ聞かせて下さいました。
息子さんはSceneの豆を300gづつ3種類持ち帰られました。
その後息子さんはSceneにおみえになりませんし交流もありません。
伊藤博さんの息子さんがどうしてSceneのことを知って何故訪ねて下さったのか、未だに謎です。
今私がプロのバリスタとしてお客様に珈琲を語れるのは伊藤博さんの著書の存在が大きいと感じています。
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