この写真の人物、誰かお分かりだろうか?
"日本百名山"を著した作家 深田久弥である。
3月21日は深田久弥の命日。
日本の登山愛好家であれば誰もが尊敬して止まない作家で登山家の深田久弥。
深田の終焉の地が表題の"茅ヶ岳 (かやかがたけ)"だ。
【中央が 茅が岳】
時は1971年3月21日早朝、友人7人で登り始めた深田は山頂まであと30分ほどの尾根をいつものペースで登っていた。
午前10時55分、深田はスリップしたようによろけると頭を地面に打ち付けるようにして斜面に倒れこんだ。
倒れて暫くは激しく息していたが、その息はやがてイビキに変わった。 脳溢血であった。
ここは山頂近く。どんな健脚者でも山里まで救援を呼びに降りるまでに1時間半は掛かる。
メンバーの中で最若手の山村が救助隊を伴って深田の元に戻って来たのは午後4時半。
時すでに遅く深田は息絶えていた。
街中であれは充分に救えた命であったが、人里から遠く離れた無人の深山では手の施しようがなかった。
山が何より好きだった深田にとってこの終焉の地は相応しく、また本人も本望だったのではなかろうか。
人間が好きで酒・煙草が大好き、そして大大好きな山をこよなく愛し続けた深田久弥。
享年68歳はあまりにも早過ぎる死であった。
今の僕の年齢も限りなく深田久弥終息の年齢に近付いている。
この1,2年のうちに、深田久弥が永遠の旅に発った地"茅ヶ岳"の尾根に立っておきたい、そんな気持ちのこの頃である。
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