「HHhH プラハ 1942年」
表題はローラン・ビネ著書のタイトルです。
2014年度本屋大賞翻訳小説部門で第1位に選ばれた世界的ベストセラーのノンフィクション小説です。
1942年チェコのプラハで38歳の若さで暗殺された、ナチス政権下の高官でヒトラー、ヒムラーに次ぐ第三の男ラインハルト・ハイドリヒの実話に基づいた物語です。
タイトル中の“HHhH”とは、Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる)の頭文字をとったものだそうです。
【ラインハルト ハイドリヒ】
第二次世界大戦中、その冷徹極まりない手腕から「金髪の野獣」と呼ばれナチス親衛隊No.2となったハイドリヒは、民族浄化運動の名の下にホロコーストをヒトラーに提言し実践した人物で、ヒトラーさえもが恐れた男と言われています。
彼を描いた「HHhH プラハ 1942年」が日本タイトル『ナチス第三の男』で映画化されました。(明日(4月12日)までシネマ・イーラで上映されています)
どのようにして"ナチス"のような兇悪極まりない組織体制が生まれてしまったのか、何故ヒトラー、ヒムラー、ハイドリヒ、アイヒマンなどのような常軌を逸した人物が現れてしまったのか、それに対して民衆・民族はどのように動いたのか気になりナチス関連の映画はついつい観てしまいます。
そこから何かを学び、あのようなことが2度と起きなよう常に自分の中で意識していようと考えることにしています。
ところで映画『ナチス第三の男』を観ての感想ですが・・・、
期待は裏切られた感が否めません。
訴えようとしていることが浮かび上がって来ず、焦点がボケていた気がします。
ハイドリヒのヒロイズム的表現、SEX、ラストシーンのド派手なドンパチ(銃撃戦)、アメリカ風な娯楽映画を観ているような感覚にすらなりました。
思想とかイデオロギーを論ずることは好きではないが、全体主義や一党独裁政権は過去の教訓から学び絶対避けるべきと考えます。
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