次女の名前

Sceneken

2019年08月08日 22:04



先週仕事で八ヶ岳山麓に出掛けた序でに時間にゆとりがあったので松本まで足を伸ばして松本市美術館で開催中の『不思議の国のアリス展』を訪ねてきました。



著者ルイス・キャロルのこと、アリスのモデルになったアリス・リデルのこと、キャラクター(挿絵)誕生の経緯、奇想天外なストーリー発想の原点、“アリス”ファン必見の充実した展示内容でした。

私は特別童話の世界が好きという訳ではないのですが、アリスの話だけは気になっています。
何故“アリス”なのかを記しておくことにします。


私たちは娘たちの名前を、長女は“レイナ”、そして次女は“アリス”と命名しました。
その経緯は次の通りです。

私が絵画に興味を持つ切っ掛けになったのは印象派画家の絵に惹かれるようになってから。
中でもルノワールの絵が好きで画集や図録集をたくさん買い集めてよく眺めていました。
特に“イレーヌ・カーン・ダンヴェール”の肖像画を初めて目にした時はある種の衝撃を覚えました。

なんと美しい少女なのだ!、“絵に恋をする”そんな感覚だったと思います。
以来この絵を何回か模写しましたし、実物が来日すると必ず観に行きました。
30年ほど前この絵が初来日した時は横浜市美術館に3回通いました。

さて、娘たちの名前ですが・・・。
長女が生まれた時この肖像画からイレーヌの名を拝借して“レイナ”と命名しました。
次に産まれてくる子は男子と思い込んでいたので尊敬するノーベル賞受賞物理学者の江崎玲於奈氏の名に因んだ“レオ”の名前を考えていました。
長女レイナと名前がシンクロするから気に入っていたのですが、産まれてきたのは女子だったので一旦白紙に戻して暫く悩みました。

次女の名も何とかして長女と関連性ある名前にしたい!
ある日何気なくルノワールの画集を観ているとイレーヌに妹が二人いることを知りました。
イレーヌの次の妹の名前は“エリザベート・カーン・ダンヴェール”、そして三女の名前が“アリス”です。
ルノワールはイレーヌの妹たちの絵も描いています。


【ルノワール作≪ピンクとブルー≫ 左が3女のアリス、右が次女のエリザベート】
この絵を見た時咄嗟に小倉家の次女の名に“アリス”をいただこうと決めました。
イレーヌの妹、そしてレイナの妹の名はアリスと言うことです。


次女を人に紹介する時「アリスです」と伝えると、「へ〜!、不思議の国のアリスだね」って!
そのアリスを意識していなかったのですが、周りから頻繁に言われて気にするようになりました。
で、ルイス・キャロルと彼が著した“アリス”シリーズを色々と調べるようになりました。

不思議の国のアリスは実在した人物がモデルです。
オックスフォード大学で数学教師を勤めるルイス・キャロルは、彼が住むクライストチャーチ学寮の長として入ってきたヘンリー・リデルの娘アリス・リデルとよく一緒に過ごすことになります。

【不思議の国のアリスのモデルとされる “アリス・リデル”】
好奇心冒険心が人一倍強いアリス・リデルはルイス・キャロルに色々とリクエストします。
ルイスはアリスのリクエストに応えて文書に綴る、それが“不思議の国のアリス”の原型になります。
やがてアリスの本は瞬く間に世界中に知れ渡り愛されることになります。

“名は体を表す”でもないのですが小倉家のアリスも好奇心探求心の強い子で、友達の中ではいつでも中心にいる目立つ存在でした。
当時は飛んだ(浮いた)名前ではないかと少々心配しましたが、長女も次女も自分の名前は気に入ってくれているようで、名付け親としては安堵しています。


さて話題を戻して、松本市美術館サポーター活動です。



9月8日まで開催されています『不思議の国のアリス展』、冒頭でも書きましたが内容が充実して大変見応えある展覧会です。
夏休み期間中にお子様と一緒に訪ねて観ては如何でしょう。


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