平野冨山展
今日(6月6日)から始まった静岡市美術館での催事「平野冨山展」をご案内します。
【平野冨山(ひらのふざん)】
静岡県庵原郡江尻町(現・静岡市清水区江尻東)出身の平野富山(1911-89)は、日本近代彫刻史上、重要な彩色木彫家の一人です。人形師・池野哲仙(いけのてっせん)(1880-1936)の元で学んだ確かな彫技と彩色技術により、伝統的な主題から今日的な女性像まで、超絶技巧とも言うべき作品を生み出しました。また富山は彫刻家・齋藤素巖(さいとうそがん)(1889-1974)に師事して西洋彫刻も習得し、日展を中心に活躍します。さらには木彫界の巨匠・平櫛田中(ひらくしでんちゅう)(1872-1979)に厚く信頼をおかれ、数多くの田中作品の彩色を手がけました。本展は平野富山の彩色木彫や西洋彫刻など約60点のほか、平櫛田中や関連作家らの作品約40点により、日本近代における人形、彩色木彫、西洋彫刻の三つの領域を横断し、彩色の専門家としても作家を支えた富山の仕事の全容に迫る初の試みです。
能や歌舞伎、神仏、歴史や神話、そして女性美と様々な主題に挑み、日本彫刻の伝統にある“彫刻と彩色の不即不離の関係”を追及した富山の作品は、まるで生けるが如く見るものに迫ってきます。
彫刻制作される方、彫刻に興味ある方、人形作家の方は必見です。
7月15日まで開催していますので是非お出掛けください。
P.S.平野冨山常設展示会場のご案内
平野冨山の生まれ故郷の静岡市清水区にある清水文化会館マリナート。
その1階ギャラリーに隣接して平野冨山作品の常設展示スペースがあります。
年3回テーマを設けて冨山作品を展示替えしています。
こちらでは何時でも冨山の作品が観られるのでご利用ください。
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