タイトルの人物は誰？



“エルキュール・ポアロ”と言えばピンと来るであろう・・・　　正解はイギリスの俳優！

嘗てイアン・フレミングのスパイ小説“００７シリーズ”でジェームズ・ボンド役に扮して一世風靡した俳優ショーン・コネリー。彼はボンドのキャラクターが強すぎて、そのイメージから脱却するのに躍起になっていた時期がある。
アガサ・クリスティーが生み出した名探偵エルキュール・ポアロ。デヴィッド・スーシェはポアロの当たり役である。ポアロもまた個性の強い役柄であるが、ショーン・コネリーとは逆にスーシェは徹底してポアロを研究し役作りに努力し成り切るよう心がけている。ポアロ役は彼以外に考えられない、と云っても過言ではない。

「エルキュール・ポアロはデヴィッド・スーシェであり、スーシェがポアロである。」



先週月・火・水・木の４日間、BSプレミアムでアガサ・クリスティーのポアロシリーズ最新作４本が放送された。
ディテクティブ・ストーリーファンの方はこのシリーズをご覧になっているであろう。その方たちとあの感動を共有したくブログにアップすることにした。　４作の中でも特筆したいのは最後に放送された“オリエント急行殺人事件”。

法の番人であり何事も恐れず悪に立向かう熱血漢で正義感溢れるポアロが、私の知る限りでは唯一この作品の最後のシーンでのみ法に背いている。法に背き苦渋の決断をせざるを得なかったポアロの心境を、スーシェは迫真の演技で見事に演じ切っていた。そのあまりの迫力に心の中から沸き立つ何か抑えきれないものを覚えた。この夜は興奮して暫くの間寝付けなかった。
アガサ・クリスティーの最高傑作に、そしてデヴィッド・スーシェの至高の名演技に心打たれた。


余談だが、アーサー・コナン・ドイルが生み出した名探偵シャーロック・ホームズを演じた俳優ジェレミー・ブレットもまた当たり役。彼の演技も素晴らしかった。