
【七面山山頂直下から見る富士山 (手前下に見える上部が黒っぽい山は身延山)】
今年初の本格登山に行ってきた。
登ってきた山は『七面山』。
【七面山】
七面山(しちめんさん)は山梨県南巨摩郡にある1,989mの山で日本二百名山の一つに選ばれて、グレートトラバースの田中陽希も一昨年登っている。

山頂東北部の約73haが歴史的に久遠寺の寺領であり、現在も周囲を早川町に囲まれた身延町の飛地である。
文永11年(1274年)に日蓮が開いた身延山久遠寺、また法華経を守護するとされる七面大明神(七面天女)を祀る信仰の山で、七面山敬慎院は日蓮の高弟である日朗が開いたといわれる。

【随身門から見下ろす敬慎院本堂】
山頂近くの標高1700m付近に敬慎院があり、信者参拝者など多くの人が宿坊に宿泊する。
敬慎院から山頂付近にかけては富士山の好展望地として知られる。

【毛無山(左側)と富士山のツーショット】
七面山南東側の各所に大規模の崩落が見られるため「ナナイタガレ」と呼ばれ、日蓮書状にも崩落の様子が記されている。

【ガレを覗き込むと足が竦む】
七面山(1989m)は日蓮宗の信者が身延山の参拝をすませた後に登り、ご来光を拝む山として有名な山である。表参道と北参道の2つの登山道があり、ともに整備されていて歩き易い。また、途中には休憩施設やベンチが随所に設置されて、参拝者の便宜がはかられている。山頂付近は富士山の格好の展望台となっている。

【登山道36丁目から望む白根三山(右側の三角峰が北岳)】
また、樹林越しに白根南嶺の山々を望むことができる。
以下は七面山登山をお考えの方に参考になるよう記しておく。
登山口から敬慎院(標高1,700m)まで高低差が1,500mあるが、上記解説にもあるように日蓮宗の参拝者が通えるように登山道が整備されて登り易い山、との前情報があったので気楽な気持ちで入山したがそんなに甘くはなかった。
登山口から七面山頂(1,989m)までの高低差1,780mは日帰り登山派の私にとっては限界を超えているし、敬慎院から先の高低差300mほどは本格登山の覚悟を要した。
下山後にiPhone(ヘルスケア)のデータを覗いたところ歩行距離17.6km、累積歩数28,000歩を超えていたが、この数値は私の日帰り登山記録の中では過去最高ではなかろうか。
山岳信仰が盛んなこの山は、敬慎院の宿坊は勿論登山道途中にも3箇所ほど立派な宿泊施設がある。
敬慎院参拝者は1、2泊を予定してこの山に入るのが普通であり、本来なら登山者も宿坊などを利用して早朝の御来光や雲海を愛でるのに向いた山である。
計算して造られているであろう、年2回(春分と秋分の日に)富士山頂から放たれた旭光が随身門を通って本堂の御本尊を照らし出す現象が見られるのは有名である。


【随身門を枠に覗く富士山】
七面山の登山道には他の山では見られない大きな特徴がある。
休憩施設やベンチが随所に設置されていることもそうであるが、登山口から敬慎院までの間、50〜100mの間隔で常夜灯形の道標が1丁目から50丁目まで設置されている。


これらは参拝者に配慮したものであるが、目標地まであとどれくらいあるか推測出来るので登山者にとっても大変助かる。
特に私の場合下山時に疲労感から大変苦しい思いをしたので、この道標には大いに勇気づけられた。
コメント