珈琲・紅茶専門店“Scene”からの情報発信の場! “Scene”ご利用者のコミュニティー (安らぎと寛ぎの空間“珈琲・紅茶専門店 Scene”に集う仲間のための情報発信の場として当ブログ運用を試みます。)

スペシャルティコーヒー(まとめ)

スペシャルティコーヒーについてはここ3年間で4回ほど特集で扱っています。
それらを読まれてか、珈琲の風味をじっくり吟味されている方や味を丁寧に確かめておられる方など、最近珈琲に造詣が深そうなお客様をお見掛けするようになりました。
そんな方々を対象に"スペシャルティコーヒー"を少々掘り下げてまとめとして記してみようと思います。

長文です、珈琲(特にスペシャルティコーヒー)に感心のない方は当記事はスルーして下さい。

珈琲がお好きな方、珈琲に興味をお持ちの方、珈琲の味を追求されている方・・・、
そしてSceneの珈琲の味に興味がおありの方は是非ご一読ください。


【美味しい珈琲とは❕】
美味しいコーヒーを提供する(作る)ための要素(ポイント)が3点あります。
【生豆を厳選】
珈琲生産国(地域)の気候・土壌・人(風土)に合わせて丹精込めて育てた珈琲生豆を選ぶ。
【適正な焙煎】
ロースターが生豆の特性を読み取りそれに適合した度合い(時間)で焙煎する。
【丁寧な抽出】
それぞれの珈琲が持つ特徴が最大限表現出来るよう適正な方法で丁寧に抽出する。

上記3点が美味しいコーヒーを提供するための大事な要素です。
その比率(重要度)は、全体を10とすると(生豆)7 : (焙煎)2: (抽出)1 と言われます。
如何に良質な生豆を厳選して使用することが大切かがお分かりかと思います。
ところが私たちロースターにとって難儀するのは、見た目だけでは生豆のクオリティを的確に読み取ることは出来ません。
サンプルを取寄せてローストし淹れ試飲してみて初めて生豆のクオリティを知ることになりますが、毎回色々な豆を取寄せてサンプリングするのは時間と労力が掛かります。
そこで頼りになるのが、豆の質の良さが保証された"スペシャルティコーヒー"です。
私は当初一般卸商社から仕入れたスタンダードな豆を適正焙煎して提供していました。
それはそれなりに自分では納得して扱っていました。
ある日同業者の友人からこれを飲んでみるようにと“スペシャルティコーヒー”を渡されました。
同じ産地のスタンダード豆とスペシャルティコーヒーを同時に淹れて比較し、その違いに愕然としました。
方や何の変哲もない(それなりに満足する)普通の珈琲、もう一方は味に深みがあり広がりを感じ取れて、これが“スペシャルティコーヒー”であることを実感した瞬間でした。
以来珈琲生豆は、その品質が世界的組織によって担保された“スペシャルティコーヒー”を使用するよう切り替えました。
スペシャルティコーヒー(まとめ)
   【フクモト珈琲のサイトより借用】

"スペシャルティコーヒー"の詳細は当ブログで紹介しているので省きます。
(紹介記事のURLを貼っておきます、興味ある方はご覧下さい)
2017・05・04スペシャルティコーヒー:https://sceneblog.hamazo.tv/e7376619.html
2018・08・18スペシャルティコーヒー:https://sceneblog.hamazo.tv/e8142578.html
2018・08・19スペシャルティコーヒー(その2):https://sceneblog.hamazo.tv/e8143686.html


本題に入る前に、Sceneに生豆を提供してくれている商社『ワタル』に触れておきます。
ワタルは日本最大の珈琲生豆専門の(大卸)商社で、その扱い量と質において日本一です。
ワタルの取引相手は珈琲豆卸専門店や大手(大資本)量販店で、Sceneのような小規模喫茶店は相手にしません。
何故Sceneがワタルの審査に通ったかと言いますと、豊田市の同業者で友人が仲介してくれたこと、販売実績と取引計画書を提出したところギリギリのところで申請が通り契約が成立した次第です。
取引計画書に記入した数値はScene単独では扱い切れない量で、同業者の仲間と共同で扱うことを前提に提示しました。
それでもワタルの担当者からは「下限ギリギリです」と言われました。
ともあれSceneとしては国内では最高のパートナーと取引させて頂けることになりました。

ちょっと笑い話・・・?、
ワタルが大型連休をとる時、取引先に次のようなご案内文が送られてきます。
『xx日からzz日まで休業致します。つきましてご注文量が500kg未満の場合はxx1日までに、500kg〜5t(トン)の場合はxx2日までに、5tを超える場合はxx3日までにご連絡ください。』
って、 Sceneからの1回の発注量はせいぜい70kgなんだけど❕。



ワタルから取引先へ案内される解説文書を転用します。
【珈琲市場事情】
高度経済成長の大量生産、大量消費の時代を経て、我々は今一度本当に価値のある物を見直す時期に来たのかも知れません。相場商品であるコーヒーもその例外ではなく、過去に量と低価格を至上としたため、品質は置き去りにされ、生産者の収入と地位は低下し、土壌は荒れ、消費者のコーヒー離れが加速しました。
こうした反省から、消費者に素晴らしいと評価されるコーヒーは何であるかと問われたのが、スペシャルティーコーヒー誕生のきっかけでした。
より高い品質を通じて本来のコーヒーの魅力は見直され、素晴らしい品質に対してプレミアムを支払うという概念の誕生は、いままでの生産者との関わりを再認識することにつながりました。生産国の中でも、その貧しさから自然破壊、児童就労などが行われていた産地ではスペシャルティーコーヒーの出現によって販売プレミアムを得ることができ、金銭面の不安が軽減され、消費国では称賛に値する素晴らしい品質を享受できる事となったのです。
ワタルはこのスペシャルティーコーヒーを通じて生産地に貢献し、世界の懸け橋となり、消費者の皆様に新しい価値を御提案できるよう努めてまいります。

【ワタルにおける“スペシャルティーコーヒー”規格基準】
特定の生産国の小地域、区画内においてもたらされ、その土地の気候、土壌、人の3要素によって構成されるテロワール/マイクロクライメット(微小気候)を表現し、魅力のある風味特性を持つコーヒーを“スペシャルティーコーヒー”と私たちワタルは定義します。
スペシャルティーコーヒーの品質基準は、カップオブエクセレンスにおけるカッピングプロトコルに基づき、無欠点かつクリーンカップであることを前提とし、ワタルにおけるカッピングにおいて収穫後6カ月以内の検体の各項目の総和が80点以上であると認められること。
●スペシャルティーコーヒーは生産から精製、流通まで一貫したトレーサビリティーが明確であること。
●スぺシャルティーコーヒーは自然環境を尊重し、人道的な取り組みによって生産されること。
●スペシャルティーコーヒーは標準的なコーヒーと一線を画し、品質に対するプレミアムが支払われて取引されること。

【“スペシャルティーコーヒー”の誕生と確立】
1978年、米国Kunutsen Coffeeの代表Erna Kunutsen女史はフランスのコーヒー国際議会において、“特別な地理的環境が生み出す微小気候(マイクロクライメット)がもたらす、特徴的な風味特性を持った新しいカテゴリーのコーヒー”に対して初めて“スペシャルティーコーヒー”という名称を用い、その存在を提唱しました。
70年代当初、コーヒーの最大の消費国である米国は大量生産、大量消費のバルクマーケットの渦中にあり、膨大な需要に対応すべく多くの物資を輸入する必要がありました。その中でコーヒーもその例外ではなく、質は軽んじられ、量の供給のみに重きが置かれました。こうした流れは急激にコーヒーの価値を落としめることとなり、飽和するいわゆる不味いコーヒーによって消費者の関心を失っていくという状況に陥りました。この時点よりコーヒーの消費量は減少の一途をたどり、さらにソフトドリンク等の台頭によってコーヒーは飲料としての魅力をさらに失っていきました。
こうした中で各国のロースターは消費者のメッセージを読み違え、量偏重であった過去の反省のもとに、消費者にとって魅惑的な飲料であったコーヒーを取り戻そうという機運が高まりました。安価なコーヒーが蔓延するマーケットの中、あえて高い付加価値を掲げ、消費者に対しその当時では最も魅力的な風味特性を持つコーヒーを提供し、その存在を問いました。
買い付け担当者が生産地へ赴いて農園を視察し、彼らが要求する品質のコーヒーの生産に付加価値(プレミアム)を支払い、消費国の求める新たな品質基準を教育する。こういった新しい取り組みによって、それまで単なる相場商品であったコーヒーはそれ以上の新たな価値を伴った“スペシャルティーコーヒー”へ昇華されることとなったのです。
また、品質に対して対価を払うといった仕組みは生産者のモチベーションを刺激し、新たな品種開発、土壌開発、肥料開発、生産処理方法の研究が行われ、カップオブエクセレンスに代表されるようなオークションプログラムは、実需であるロースターと接する機会を提供し、“ダイレクトトレード”と呼ばれる直接取引が行われるようになりました。
今日ではこうした双方向の関係性が高まり、生産者から消費者への道筋、“From Seed to Cup”という概念はさらに発展し、スペシャルティーコーヒーは、今ではより多様性を増し、常に進化し続けています。



Sceneと同じコンセプトで“スペシャルティーコーヒー”を提供しています仲間の店を挙げておきます。

【鴨江珈琲】
スペシャルティコーヒー(まとめ)

【きの珈琲】
スペシャルティコーヒー(まとめ)

【TONES】
スペシャルティコーヒー(まとめ)

【MilesTone】
スペシャルティコーヒー(まとめ)


これら仲間の店では、珈琲生豆は“スペシャルティーコーヒー”に拘りを持っています。
生豆を厳選し自家焙煎して丁寧に抽出したコーヒーを提供しています。
その味(美味しさ)は私も自信を持ってオススメします。


同じカテゴリー(珈琲・紅茶専門店 Scene)の記事
臨時休業のお知らせ
臨時休業のお知らせ(2024-05-13 21:04)

週末をエンジョイ
週末をエンジョイ(2024-03-31 23:31)

マラウイ
マラウイ(2024-03-16 21:45)

遠来のお客様
遠来のお客様(2024-03-11 22:56)

全員集合
全員集合(2024-02-16 22:55)

コメント

名前
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
削除
スペシャルティコーヒー(まとめ)
    コメント(0)