豊田市美術館で6月27日から開催される次回催事『吹けば風』をご案内します。
思いがけず感じる清風、偶然目にとまった道端の花など、ほんの僅かな間だけ私たちの意識を留める小さな発見。
この展覧会では、通常は見過ごされ、忘れられてしまうような細やかな発見や驚きに注目し、そうした体験を見つめなおします。
2010年代以降、幅を広げながら活動する4名の出展作家は、日常的な体験に取材し、何かを感じる時に自身に起こる変化を観察しつつ、作品を観る人の細やかなものに反応する感性を刺激します。
素潜りやドライブ中の出来事を淡く描いた絵画が、時間や空間が伸び縮みするような感覚を思わせる。
【川角岳大】
小さな謎を写真や日常会話の中に見つけ探る。
【澤田華】
会場に自らの身を置きリアルタイムで作品を更新し続けるパフォーマンスを発表してきた。
【関川航平】
天気を作品に取り込み異なる場所や時間を想像させる。
【船川翔司】
本展のタイトルは、明治生まれの詩人・高橋元吉が詠んだ詩の「咲いたら花だった 吹いたら風だった」という一節からきています。
それが何か分かるまでは「なにか得体の知れないもの」でよいと言い、先入観を取り払っておおらかな気持ちで物事を見ようとするこの詩人にとって、世界は新鮮な発見に満ちていたかもしれません。
本展に参加する4人の作家もまた、日々の生活や旅先での体験に取材しつつ、五感を介してなにかを感じるときに自身に起こる変化をつぶさに観察し、作品を見る人の細やかなものに反応する感性を刺激します。
会場では、4人の作家がそれぞれ創り出す4つの体験をお楽しみください。
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