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外科病棟便り -12- 『フライング退院』

外科病棟便り -12- 『フライング退院』
 【退院の日、病室から最後の朝風景】

手術日(12月21日)から数えて二週間目の1月4日に抜糸して、その経過次第で退院日が決まる予定だった。
1月4日退院だと翌5日からの営業は無理! 何とか年末(大晦日)までに退院出来ないものか。
一つ方法がある。
29日までに主治医に私の術後経過を診てもらい合格頂ければ解放される。
問題は、それまでに主治医に逢えるチャンスがあるかだ。
主治医の長谷川Dr.は医大付属病院所属の客員Dr.なのでお逢い出来る機会が限られる。

看護師に尋ねると、28日に今年最後のオペのため当病院に来るとのこと。
これがラストチャンス! 「オペ後の長谷川Dr.に是非お逢いしたい。」と看護師に懇願する。

28日オペ終了予定の17時が過ぎ18時になってもDr.は見えない。
諦め掛けた19時、突然長谷川Dr.が病室に来てくれた。
手術が予定より長く掛かったようである。

外科病棟便り -12- 『フライング退院』
【28日19時過ぎ私服姿で突然病室に来てくれた長谷川Dr.】

「小倉さん背中を見せて。」
上半身裸になり背中のオペあとを診てもらう。
「じゃあ、足に力を入れてつま先を動かしてみて。」
思い切り力を入れて足首から先を動かしてみせる。
「ではベッドから降りて少し歩いてみて下さい。」
緊張した。ここでヨロケたらアウト! 何とかバランスを崩さず歩けた。
「結構です。 いいでしょう、31日退院で手続きしましょう。」
ということで強引ではあるがギリギリ大晦日11時の抜糸、そして退院が許された。

長谷川Dr.には最初から最後まで我儘(わがまま)を言って無理を聞いて頂きお世話になりっぱなしであった。
Dr.にはただただ感謝の気持ちでいっぱいである。

外科病棟便り -12- 『フライング退院』



これで1月5日からの営業は何とか間に合うことになりそうでホッとした。
それ以上に、大晦日の夜に宝塚からの娘夫婦を含め家族5人揃って年を越せることが嬉しかった。

退院したその日にシャンパンパーティー!
シャンパンはワイン仲間から入院前に何故か"快気祝い"と称して戴いた高級シャンパン!
それとMさんからScene15周年のお祝いに戴いたこれまた高級シャンパン!
外科病棟便り -12- 『フライング退院』
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12日間続いた病院食から突然豪華スペシャルディナー!
さぞ胃袋もビックリしていることだろう!
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(主治医に知れたら大目玉を食らいそう!)

兎も角健康の大切さ、ありがたさを実感した瞬間であった。

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