
2週間前ですが、いつもの飲兵衛仲間が久し振りに集まってワイン会が持たれました。
ワイン会の様子は明日記すとして、今日は幸子さんと私がワイン会用に選んだ銘柄に触れておきます。
今回のワイン会のテーマは『イタリアのワイン』でした。
皆さんが持ち寄るワインは赤が多いのではと考えて、私たちは白を出すことにしました。
で、選んだワインが表題の"Est! Est!! Est!!! di Montefiascone"です。

一度聞いたら忘れられない名前をもつ白ワイン「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ」は、ラツィオ州北部のモンテフィアスコーネで生産されています。
「エスト!エスト!!エスト!!!」とは、ラテン語で「ある!ある!!ある!!!」の意。
この不思議な名前には、どんな話が隠されているのでしょうか? 調べてみました。
西暦1111年、ローマ皇帝ハインリヒ5世はローマ法王パスカリス2世から戴冠を受けるためにドイツからローマに向かうことになりました。皇帝には、アウクスプルクの司教ヨハネス・デフックも随行することになります。彼は「大司教」という高位聖職者であるだけではなく、ワインに非常に造詣が深いことでも有名でした。
大司教は、信頼できるマルティーノを偵察隊として皇帝の旅行ルートに先に送り出し、おいしいワインを見つけておくようにと命令したのです。そして符牒として、おいしいワインがある宿屋には「EST(ここにありの意)」という印をつけ、抜きんでて美味のワインを見つけた場合には「EST」を二度書いておくという取り決めがなされました。
マルティーノがモンテフィアスコーネに到着してこの地のワインを味わうと、そのうまさに感激し「EST」を3回かき、さらに「!」マークを6つもつけて、皇帝が必ずこのワインを味わうよう大司教に伝えようとしたのです。

大司教一行がモンテフィアスコーネに到着しそのワインを味わうと、その場を去ることが惜しいほどの美味。彼らは、ローマに向かうのを3日間延ばしたそうです。
大司教は、モンテフィアスコーネの人々の温かいもてなしに感謝し、生前にこの街に膨大な献金をしていました。モンテフィアスコーネのワインに惚れ込んだあまり死を早めたこの大司教の墓所は、現在もモンテフィアスコーネのサン・フラヴィアーノ教会にあります。墓所の碑文には「エストを飲み過ぎた我々の大司教ヨハネス・デフック、ここに眠る」とラテン語で記されています。
フランスの白ワインの代表格"シャブリ”ほどのボディーはありませんが、軽快で切れの良い辛口は口当たりが良くイタリアを代表する白ワインと言うことが出来るでしょう。

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