
今朝、新聞取りに外に出ると、これが目に入って来ました。
クマゼミが脱皮する瞬間です。
いよいよクマゼミが騒がしく鳴き狂う季節が来ました。
Sceneの庭には大きなケヤキの樹があり、クマゼミはこの樹に群がるのです。

クマゼミが好む樹を調べてみました。
クマゼミは落葉広葉樹のケヤキ、 ポプラ、ボダイジュ に対して強い樹種嗜好性を示し、
アブラゼミのそれに比べて、クマゼミの好き嫌いが激しく好みの樹種は大変少ないです。
遠州地方にはポプラとか菩提樹は少ないが、ケヤキはたくさんあります。
グルメなクマゼミは、他の樹々には目もくれず大好物のケヤキに集中して群がることになります。
私たちは今後暫くの間、朝6時頃から11時頃までクマゼミのラブコール(鳴き声)に悩まされます。
同業者(エリーズ)の庭にも大きなケヤキの樹があり、オーナーがボヤいていました。
「毎年この時期になると蝉の鳴き声に悩まされます」と。


蝉の鳴き声で興味深い話があります。
黒澤明監督の名作映画『羅生門』は、アメリカでも話題になり上映されました。
ところが、アメリカで上映された『羅生門』では、蝉の鳴き声が一切入っていません。
アメリカの技術担当が、蝉の声をノイズ(雑音)として消してしまったそうです。
日本では、蝉の鳴き声で夏を感じる典型的な“夏の風物詩”・・・、
対してアメリカで蝉の鳴き声は単なる“ノイズ”になってしまうのです。
もう一つ蝉に関する話題を・・・、
“素数ゼミ”と言う言葉をご存知でしょうか。
周期的に発生するセミを一般的に「周期ゼミ」とよびますが、中でもの17年周期・13年周期で北米に大発生するセミを「素数ゼミ」と言います。
「素数ゼミ」の名付け親で、その謎を解明したのが日本の生物学者、吉村仁教授(静岡大学)です。
専門は数理生態学で、セミのほかにも様々な動物の行動を進化的な数理モデルで解析しています。
幼いころから昆虫採集に夢中な“昆虫少年”だったそうです。
「素数ゼミ」は、同じ狭い地域に正確に17年あるいは13年に一度しか発生しない規則性をもちますが、どうして12年や14年15年16年ではなく、17年と13年という素数なのだろう。
吉村教授によると、それは氷河期にまで時代をさかのぼって考えなければならないようです。
そこには、壮大な自然界が織りなす不思議な規則世界がありました。
吉村教授の論文は小説一冊くらいのボリュームがあるので割愛します。
興味ある方は、是非『素数ゼミ』を調べてみてください。
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