
【上村松篁 《額田女王挿絵原画 第Ⅲ章・1》1968~1969年】

皆さんは今年の大河ドラマ「光る君へ」をご覧になっていますか?
平安時代中期(990〜1000年)に活躍した歌人紫式部の話ですね。

“源氏物語”の作家として有名ですが、書いた物語はこれ一つだけです。
紫式部は、百人一首などの和歌集に和歌を800首ほど残している歌人です。
『めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな』
(百人一首より 紫式部)
紫式部の時代から遡ること350年の飛鳥時代。

西暦650年、この時代に活躍した歌人と言えば・・・、
“万葉集”に短歌など13首を残した歌人“額田王(ぬかたのおうきみ)”。
天武天皇と天智天皇に愛され、絶世の美女といわれた“額田王”。
『あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る』
(額田王の代表作の一つ)
井上靖が額田王をモデルに書いた「額田女王」。
『サンデー毎日』の1968年1月7日号〜1969年3月9日号まで連載され、その後単行本で“新潮文庫”より刊行されました。

この本の挿絵を担当したのが上村松篁です。
現在秋野不矩美術館で上村松篁が描いた額田女王の挿絵原画展が開催されています。

【浜松市秋野不矩美術館】
月での“足立典正展”を訪ねた帰りに、秋野不矩美術館に寄ってきました。
挿絵のほぼ全作品が展示されているので「額田女王」を読まれた方は必見でしょう。
上村松篁は、やはり上村松園の息子ですね。
上村松園の画風を彷彿とさせる描写表現でした。
『上村松篁が描く“額田女王”挿絵原画展』 ⇐ サムネイル
3月24日(日曜)まで秋野不矩美術館で開催していますので興味ある方はお出掛け下さい。
期間中、二階展示場では秋野不矩の絵本『いっすんぼうし』の原画が展示されています。
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