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長命寺 or 道明寺

長命寺 or 道明寺


表題の「長命寺 or 道明寺」って何のこと❓


本題に入る前に、鰻の季節にはまだ早いのですが・・・、
鰻の蒲焼、貴方は関東風と関西風のどちらがお好き?

関東風は、背開きした鰻に串を打ち、白焼きにした鰻を蒸して脂を落としてから焼き上げます。
対して関西風は、頭を落とさずに腹開きにした鰻に串を打ち、蒸さずにそのまま焼き上げます。


僕は断然関西風が好きです。
表面がカリッと焼き上がった食感と、こってりした深みある風味が何とも言えず好きです❣️



本題に入ります。
桜もそろそろ開花して1~2週間後には見頃を迎えます。
同時に、季節の和菓子“桜餅”が美味しい季節になりました。
この桜餅にも関東風と関西風があるのをご存知だろうか。

「長命寺」と「道明寺」
桜餅には関東風と関西風の2タイプがあります。
「長命寺桜もち」と呼ばれる関東風と、「道明寺」として親しまれている関西風です。

【長命寺】
関東で多いと言われている桜餅の皮の材料には小麦粉が使われています。
小麦粉を水で溶いて薄く焼いた生地に餡を包み、それを塩漬けした桜の葉でくるんだのが関東風。
関東の桜餅といえば、東京都墨田区向島にある「長命寺桜もち」が有名ですが、これはお店の近くにある「長命寺」というお寺が、桜餅の発祥と深い関係があるからです。
江戸時代、長命寺の門番だった新六が隅田川沿いの桜から落ちる葉を惜しんで、何かに活用できないか考えていました。
そこで葉を塩漬けにしてお餅を包んで売ったところ、人気を得て「桜餅」の発祥になったそうです。

【道明寺】
関西の桜餅は、「道明寺粉」で作られているものが多いです。
道明寺粉とは、もち米を一度蒸した後に乾燥させて粗挽きにしたものです。
これを蒸して色付けしたもので餡を包んで作ります。
そのため、お米の食感が残るつぶつぶとした皮が特徴です。
道明寺粉の歴史は古く、千年以上も前に大阪にある真言宗の尼寺「道明寺」で作られていた保存食「道明寺糒(ほしい)」が元になっています。
長期保存できることから一般的な保存食としても用いられ、水やお湯でふやかすなどして食べられていました。



和菓子に詳しい方はご存知のことでしょうが・・・、
今まで私は、「桜餅は店によって形が異なるなあ」くらいに思っていました。
磐田の老舗和菓子司“扇月”さんとお付き合いさせて頂くことになり調べてみて初めて、桜餅には(上記したように)関東風と関西風に違いがあることを知りました。


長命寺 or 道明寺
【巌邑堂の桜餅(左)と、扇月の桜餅(右)】

で、浜松“巌邑堂”と磐田“扇月”の両老舗和菓子司の桜餅を見比べてみました。
【巌邑堂】
長命寺 or 道明寺
ご覧の通り、巌邑堂の桜餅は小麦粉を使った関東風です。
長命寺 or 道明寺

【扇月】
長命寺 or 道明寺
対して、扇月の桜餅は道明寺粉を使った関西風の作りです。
長命寺 or 道明寺


人それぞれ好みポイントが異なるので両者の巧拙や美味不味の評価は記しません。
僕個人としては、道明寺粉を使った歯応えある(関西風)桜餅が好きです。
(僕の場合、桜餅の東西比較(好み)も、鰻の蒲焼のそれと被ります❗️)
特に扇月さんの桜餅は、硬めに仕上げていてアルデンテをしっかり感じました。


扇月のオーナー、磯村さんが私の質問に応えてくれたコメントです。
「桜餅ですが、原材料は道明寺という和菓子材料になります。これは餅米ではありますが、一度蒸し餅にして、それを粉砕して乾燥させたものになります。これは粒感が大事な食材です。戻し方や柔らかさはお店それぞれになるとは思いますが、私のこだわりとしては粉砕の大きさも決めて、道明寺の粒感を残すようにしています。」

関西風(道明寺)桜餅が好きな方は、”扇月”の桜餅を試してみては如何でしょう。


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