一昨日他界された高倉健さんは無類の珈琲好きで知られていました。
太秦での仕事が多かった健さんは京都滞在中によくイノダコーヒ三条店に通っていました。
ここで着く席は決まって店の奥にあるオーバル型のカウンターの席だったそうです。



娘たちが大学に通っていた8年間、私も彼女たちとのデートが楽しみで度々京都に通っていました。
時間調整によく利用していた喫茶店がイノダコーヒ三条店です。
店の奥にあるオーバルカウンター席が大好きで寄ると必ずここに着いてその場の明るい開放的な雰囲気を感じながらカフェオレを頂くのが常でした。



何故この席が好きだったのだろうか考えてみました。
オーバルカウンター席に端はありません。
お客様の間に空席がありば誰もが素直に入って座れるし皆そうしていました。
僕も最初は躊躇したけど慣れると見知らぬ人の間に入り込んでいつの間にか周りの人たちと歓談していました。
オーバルカウンターはそんな不思議な雰囲気を持った空間です。

ある日隣に着いたお客様から「貴方が座っている席は高倉健さんがよく座る席ですよ。」って聞かされたて驚いたことを思い出しました。

健さんの映画で任侠ものは観たことがありませんでしたが、『幸福の黄色いハンカチ』を観て以降はファンになり何本か観ました。勿論最後の作品『あなたへ』も。

高倉健さん安らかに。
心よりご冥福をお祈り致します。