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珈琲抽出方法 ~その3~ "珈琲サイフォン"

珈琲抽出方法 ~その3~ 珈琲サイフォン

サイフォン(siphon)とはギリシャ語で「チューブ、管」のことを指します。
現在では、隙間のない管を利用して液体をある地点から目的地まで、途中出発地点より高い地点を通って導く装置を言い、このメカニズムをサイフォンの原理と呼んでいます。
この原理を応用して作られたのが"珈琲サイフォン"です。

歴史的見地からは、1840年イギリス(スコットランド)でジェイムス・ロバート・ネイピアがナピアー式サイフォンを考案し、これが現在の形の原型だとされています。
日本に伝えられたのは1925年で、"珈琲サイフォン社"が国産初の「コーノ珈琲サイフォン」を開発販売してます。

珈琲抽出方法 ~その3~ 珈琲サイフォン

"珈琲サイフォン"の一番の特徴は見栄えする装置です。
理科の実験器具の様な形はビジュアルに訴える力が強く注目度が高いので、これを使用する店ではほぼ100%お客様の目が届く所に置いています。
もう一つこの道具の特徴は、淹れ方が容易で味にブレが少ないことです。
珈琲抽出方法 ~その3~ 珈琲サイフォン
抽出手順(プロセス)を記したものがあれば今日採用したアルバイトでもそこそこの味で淹れることが出来ます。
ビジュアルに訴える力があり誰でも容易に淹れることが出来る、この二つの理由で最近は全国展開するチェーン店やフランチャイズ店で珈琲サイフォンを採用する店が目立ちます。浜松近郊では"倉式珈琲""しまうま珈琲"などが採用し前面に出しています。

珈琲抽出方法 ~その3~ 珈琲サイフォン

では珈琲サイフォンで淹れた珈琲の味は如何でしょうか。
上記しましたようにベテラン・新人問わずほぼ均一の味を提供することが出来ます。
言い換えると、誰でも大きなブレがなく同じような味作りが出来ます。
また使用豆については"カフェプレス"と同じことが言えます。
豆の持つポテンシャルが比較的ダイレクトに反映されます。
上質の豆を使えば上質の味に、それなりの豆を使えばそれなりの味に仕上がります。
これら二つの特徴はメリットであると同時にデメリットでもあるとも言えます。
店のスタンスやコンセプトに合わせて使い分けができれば優れた道具になると考えます。

珈琲抽出方法 ~その3~ 珈琲サイフォン




最後に体験談をひとつ。

店を始める前、勉強のためよく京都に通っていた頃の話です。
京都ではサイフォンで珈琲を出す店が大変多いことで知られています。
最近の状況は分かりませんが当時京都の喫茶店の半数はサイフォンを採用していました。
サイフォンの店2~3店寄った後に、当時よく立ち寄っていた(ネルドリップ抽出の)老舗喫茶店を訪ねてマスターと会話を交わした時のことです。
彼がいつもネルで淹れてくれている珈琲の美味しさに思わず「美味しい!サイフォンではこの味は出せませんよね。」とサイフォンを批判めいた表現で言ってしまいました。
すると彼の顔色がサッと変わり、「サイフォンにはサイフォンの良さがあるんだ!」と強い口調で言い放ってその後口数が減ってしまいました。
排他的または閉鎖的と言う表現は語弊があって好ましくありませんが、あの時の彼に仲間意識が強い京都人気質みたいなものを感じたことを今でも思い出します。


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