
【私が最も尊敬する人 廣瀬幸雄博士】
北陸路シリーズ、今回の北陸(金沢)訪問最大の目的を記します。
少々長文ですが・・・、
Scene珈琲教室受講者の皆さんで、特にB(淹れ方応用)コースまで受講下さった方には・・・、
この頁を最後まで読んで頂けると嬉しいです。
私はこれまでに珈琲味作りの勉強のため業界の著名人に沢山逢って来ました。
皆さんそれぞれ実績を残されて業界に尽力して来た方たちなので尊敬しています。
ただ、皆さん企業人や店経営者なので、企業の事店の事を念頭に置いた発言や回答が先に立っていたため公平性の点で偏り感を否めない面はありました。
勿論皆さんのお考えや発想を参考にさせて頂く点は多々ありましたが、時には斜に構え首を傾げて聞く場面も少なからずありました。
最終的に私が最も信頼して参考にさせて頂いたのがこの本、『コーヒー学講義』の内容でした。

著者は廣瀬幸雄さんと星田宏司さん。 【廣瀬幸雄】 ⇐ サムネイル
この本を監修された廣瀬幸雄さんは業界人ではなく、当時金沢大学理学部教授で材料強度学専門の工学博士でした。(現在は金沢大学名誉教授)
業界・組織とは一切関わることなく、只管(ひたすら)珈琲だけを見詰めて多角的に研究・分析・実験・検証された方です。
その成果をまとめたこの本には、様々な角度からの実験で得られたデータ(数値・図・グラフ)が並びます。
それらは、僕にとって極めて信頼度が高く、圧倒的な迫力と絶対的な説得力がありました。

今や廣瀬さんは、業界の誰もが認める日本に於ける珈琲研究の第一人者です。
現在“日本コーヒー文化学会“の会長を任される廣瀬さんは、実力と実績を兼ね備えて日本の珈琲業界に於ける事実上のトップである、と言っても過言でありません。
この本を目にした時、今まで僕が珈琲関連で勉強してきた来たことが吹っ飛びリセットされてしまいました。
以来この本が、珈琲を生業とする僕にとってのバイブルとなりました。
本の内容を自分なりに咀嚼(解釈)しながら味の作り方を確立し、今のSceneの珈琲味に辿り着いた訳です。
この本は研究者向けの専門書なので私如きが何処まで理解習得しているのか不安でした。
そこで、機会があれば廣瀬さんにお逢いして、私(Scene)のやり方が正しい(妥当性がある)かを検証して頂きたい、予々そう考えていました。
偶然ってあるものです❗️
写真仲間で友人のKさんは、金沢大学卒で廣瀬さんの教え子でした。
その上驚くことに、最近Kさんは仕事上で廣瀬さんと接点が出来たのです。
Kさんから廣瀬さんに私のことを紹介して下さいました。
今回直接アポを取らせて頂き金沢に廣瀬さんを訪ねる機会を持つことが出来たのです。
Kさん、いろいろとお手数をお掛けしました。 ありがとうございました。
9日、金沢にある廣瀬さんの喫茶店&研究所を訪ねて、ご本人にお逢いすることが叶いました。

【廣瀬さん ご自分の店の前で】
一見極々普通の方にお見受けしましたが、やはり独特のオーラ(存在感)を感じました。
自己紹介させて頂いた時に、ドッと肩の力が抜けることがありました。
幸子さんと一緒にお邪魔させて頂いたのですが、私が自己紹介を始めるといきなり廣瀬さんが、
「娘さんと一緒に来たの?」、と‼️
大笑いしたあと、一気に空気が和み会話が弾むことになります。
廣瀬さんは、現在研究中のテーマや課題を機関銃の如く一気に話し始めます。
このままでは私が話す間もなく日が暮れてしまうと思い・・・、
廣瀬さんの話に、半ば強引に割り込み私の話を聞いて頂くことにしました。
「廣瀬さんの本を元に、私が確立した珈琲の淹れ方を検証して頂きたくお訪ねしました」

【Bコースの淹れ方を廣瀬さんに観て頂いたあと】
廣瀬さんに向けて、“Scene珈琲教室Bコース“の考え方をご説明して、実際にプロセスを踏んで珈琲の淹れ方を実演し、抽出した珈琲を飲んでもらいました。
「結果、合格でした❣️」
考え方はズレていないし、珈琲も美味しく召し上がって頂けたようです。
僕としては、胸に引っ掛かっていた何かが吹き取れてスッキリした思いです。
金沢に廣瀬さんを訪ねて、話を聞いて頂き、実際にSceneの珈琲を飲んで頂き合格点を頂き・・・、
僕は半分夢心地でした❣️
と言うことで、Bコースを受講下さった皆さんへ・・・、
あの淹れ方の正当性に廣瀬さんからお墨付きを頂けました。
なので、これからも自信を持ってこの淹れ方を励行して行って下さい。
廣瀬さんですが、既に次のステージに行っていました。
現在研究を進めているテーマは、“非酸素化コーヒー“。
酸化(劣化)しない珈琲の開発を行っています。
珈琲焙煎過程で如何に水素を安定活用するか⁉️
僕の頭では理解できず、遠く及ばない別の次元に廣瀬さんは行かれてます‼️
年齢を全く感じさせない、底無しにエネルギッシュでバイタリティー溢れる方でした。

【本の裏表紙にサインして頂きました】
ともあれ、今僕が最も尊敬する方にお逢いすることが叶いました。
能力にも時間にも限界が近づいている僕にとって・・・、
廣瀬幸雄博士とお逢い出来たことで最終章に入った思いです。
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