【アメリカン(浅煎り)珈琲豆】
2年前(2018•3•2)当ブログの『アメリカンコーヒーの誤解』でアメリカンのルーツに触れたことがあります。
今回はそのルーツの発端、アメリカンコーヒーの原点をお話しします。
Sceneを利用される珈琲好きなお客様、トリビアな雑学として目を通して見てください。
“Boston tea party”(日本語で“ボストン茶会事件”と訳されている)をご存知だろうか。
1773年5月、ボストン港に停泊中のイギリス東インド会社の船をインディアンに扮したボストンの茶商人が襲撃し積荷の紅茶箱342個を海中に投げ捨ててしまいます。
今でこそアメリカは世界最大のコーヒー消費国ですが、当時はイギリスの植民地で紅茶が主飲料でした。
事件の発端は、当時輸入紅茶を独占していたイギリスが価格を不当に釣り上げて重税を課す政策を採ります。
これが植民地アメリカ急進派民衆の怒りをかい船舶襲撃事件に繋がります。
港いっぱいに紅茶が広がるのを見たリーダーのサミュエル・アダムズが言います。
「ティー・パーティーだ。なんと豪勢な茶会ではないか!」と。
アダムズのこの言葉から、この襲撃事件を“Boston tea party”と呼ぶようになりました。
この事件を切っ掛けにイギリスへの不満が爆発し1775年のアメリカ独立戦争へと発展していきます。
この事件を契機にアメリカは紅茶からコーヒーに主飲料を切り替えていくことになります。
そのコーヒーは浅煎りに仕上げることで水色を紅茶と同じような透き通った薄い色で淹れて飲むようになります。
これが水色が薄い“アメリカンコーヒー”の原点です。
私事ですが、アメリカンコーヒーを実感した時があります。
昔のことですがアメリカ(カリフォルニア)から来日したばかりの女性(ジャネット)を半年ほど面倒見たことがあります。
喫茶店に連れて行きコーヒーを注文すると、いきなりジャネットはカップに水を目一杯注ぎ込んでからコーヒーを飲み始めます。
「日本のコーヒーは濃く苦い!と聞いているから」と彼女は言います。
深煎りの真っ黒なコーヒーを目にしたジャネットはそのまま口にすることが出来なかったのです。
私はお店の方にどう説明したらいいのか困った事をよく覚えています。
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